100年時代や核家族、高齢化などが進むことで【介護】で問題視されていることがあります。

「老老介護」という言葉はニュースなどで聞いたことはありますでしょうか。
現在、「老老介護」が増えており、悲しい事件へと繋がってしまっているケースが増えてしまっているのが現状です。

今回は「老老介護」「認認介護」に関して解説していきます。

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【用語】

介護者:介護する人
要介護者:介護が必要な人
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老老介護とは?

介護者と要介護者の両方が65歳以上のことを言います。
夫婦だけを想定される方が多いと思いますが、老老介護は親子や兄弟などもあります。

認認介護とは

介護者と要介護者側の両方が認知症であることを言います。
認認介護になってしまう現状は、老老介護で認知症の要介護者を介護していたところ、いつの間にか介護者も認知症になってしまい、気づかないうちに認認介護になっていたなどの事例があります。

老老介護をする際、体力面や精神面で大変なことは多いですが、認認介護は更に大変で注意しなければならない介護になります。

介護者も認知症になってしまった場合、食事、服薬、財産などの管理ができなくなります。
また、調理をしていて火の消し忘れがあり、火事に繋がりかねません。

老老介護と認認介護問題点

下記4つが大きな原因に関わっていると考えられます。
①核家族(3世代同居の減少)
②平均寿命と健康寿命
③金銭面
④他人に介護される抵抗感

① 核家族(3世代同居の減少)

昔は3世代で同居している家族が多かったのに対し、最近は子供が遠方に住んでいるパターンが増えました。そのため夫婦のみで生活している核家族化が進み、親(高齢者)同士で介護する形が多くなっているのが現状です。
老老介護だけではないですが、介護者が急死した場合に要介護者(重度の方など)は、一人で生活することができず、結果として餓死などで亡くなっています。

② 平均寿命と健康寿命

日本の医療技術が上がったことにより、平均寿命は上がっています。
ただ、健康で日常生活を送っている健康寿命と平均寿命の差が生じています。
最後まで健康で生涯を終えられる方は少なく、病気を患い、病院や介護サポートなどを利用しながら生涯を終える方が多いため、一人で身の回りのことをして生活することが難しい現状です。

③ 金銭面

人生100年時代と言われているのと同じように、老後2000万円必要というのも以前話題になったかと思います。
老後2000万円と言われながらも現実味がなく、働いていた時と同じ水準で老後生活をし続けた結果、金銭的に余裕がなくなったり、老後貯金をしておらず、生活保護を受給している高齢者も年々増えています。

その結果、介護サービスを利用できず、費用を最低限にして自分達でどうにかしようと
老老介護になってしまうケースもあります。

④ 他人に介護される抵抗感

今まで自分で出来ていたのに介護されることが恥ずかしい、情けない、他人や子供達に迷惑をかけたくないなどの理由で、配偶者に介護して欲しいと希望される方もいます。そういった背景が老老介護や認認介護が増えている理由となっております。

対処法

自分一人で介護をしなければならない状況や、「私は他の人とは違って介護を一人で行っても大丈夫」と思い込んでしまう方もいます。実際に行ってみると自分自身に使う時間や息抜きが出来ない、身体と精神的に負担がかかるため、病気を患い共倒れしてしまうこともあります。
また抱え込むことで介護うつ、介護殺人など悲しい事態に繋がる危険性が高まります。

そのため一人で行わず、相談できる方や場所を上手く活用し、抱え込まないことが何よりも大切になってきます。

① 家族との話し合い

自分達のことは自分達で解決しようと考えている方は多いと思います。
ただ自分達で介護を行うと、介護の必要度合によっても変わってきますが、24時間気が休まることがありません。

また介護を既にされている方で遠方に家族や子供が住んでいる場合は、介護に関する相談などを行わないと、遠方家族は現状のままでも問題ない、上手く行えていると思い込んでしまいます。
そうなると抱えている問題には気づけず、事件が起きてしまった後に知る形となります。
そうならないためにも家族での話し合いは大切になります。

②地域包括支援センターまたはケアマネジャーに相談

家族に相談が出来ない、身内の方がいない、また周りになかなか相談しにくい方などもいるかと思います。

そういった方は、お住まいの近くにある地域包括支援センターや介護支援制度を利用、また要介護認定を受けた場合はケアマネジャーに相談してみてください。

ケアマネジャーは、現状の状態の相談や、ケアプランの見直しや介護サービスの提案なども可能です。

そういった場所に相談することで、話を聞いてもらって終わりではなく、現状をどう改善していけばいいのかなど提案してくれるため、介護者にとって現状より良い環境を作っていくことができます。

③施設への入居やレスパイトケアを検討

施設に入居させることや入居させることが難しい場合は、レスパイトケアを取り入れて介護者に休みをとってもらい、リフレッシュしてもらうことも大切です。

「レスパイト」とは、息抜きや休息などの意味があります。これがレスパイトケアになると、介護者を一時的に開放し、休みをとってもらう支援のことになります。
レスパイトケアは4つのサービス内容があります。

介護度にもよりますが、24時間介護をしなければならず、自分の時間を過ごす暇がない方もいます。
ずっとそのような環境にいると共倒れを起こしてしまう可能性もあるため、「レスパイトケア」は、介護者のためのケアになります。

レスパイトのサービスとは?

レスパイトのサービスは大きく分けて4つあります。

【1】ショートステイ(短期入所)
【2】デイサービス
【3】訪問介護
【4】レスパイト入院

それぞれがどのようなサービスか詳しく説明していきます。

【1】ショートステイ(短期入所)

老人ホームに短期で入居し利用するサービスになります。
最長で30日連続で利用が可能になります。

【2】デイサービス(通所介護)

日帰りでレクリエーションや入浴、排泄、食事等の介助や機能訓練を行います。

【3】訪問介護

ご自宅に介護士が来て、日常生活上の介護と生活援助を行ってもらうことができます。
日常生活上の介護は食事、入浴、排泄などで、生活援助は掃除、洗濯などになります。

【4】レスパイト入院

ショートステイ(短期入所)や、デイサービスの利用困難な医療的管理をされている方で、介護者が冠婚葬祭や介護から離れて休息したい場合や、介護者が一時的に入院する場合などに利用することができます。
ただし、病院によって入院出来る状況や申し込み方法などが違いますので、まずはケアマネジャーに相談してみてください。

まとめ

介護疲れで悲しいニュースが後を絶ちません。
ニュースの内容を見てみると、地域包括センターやケアマネジャーに
相談できることを知らなかった、遠方に住んでいる子供に迷惑をかけたくなくて
状況を伝えていなかったなど、一人で抱え込んでしまったケースを目にします。

介護をすることは人生の中で回数は多くなく、介護は突然必要になります。
知識を得る前に大変な状況に陥ってしまうケースも多いかと思います。

そのため、知っていただきたいのは要介護者のケアをしてくれる場所はもちろん、
介護者の相談できる場所や休息できる時間を作れるサービスなど介護者側のケアを行える場所があります。

サービスを活用しながら、ご自身の時間も活用していただくと良いかと思います。