生活する中でTVや周りの人から「脳梗塞」という言葉は聞いたことあるかと思います。
60歳以上など年齢を重ねるごとにリスクが上がることはご存じかと思いますが、
働き盛りの40代、50代、また更に若い20代で発症する可能性があります。

今回は脳梗塞になる原因や、脳梗塞の種類について解説をしていきます。

「脳梗塞」とは

脳梗塞とは、動脈硬化などで血管が細くなったり、血液が固まってできた血栓により、
脳内にある大小の血管の一部の血流が止まることで起きます。

血管が詰まることで脳に血液が行き届かなくなり、血液が行かないことで酸素や栄養が届けられなくなります。
血液が行かない状態が長く続くと脳細胞が壊死します。(壊死:組織の一部が死んでしまうこと)

脳梗塞が起きる原因

脳梗塞になる一番の原因は、「動脈硬化」と言われています。

動脈硬化は、①高脂血症②高血圧③糖尿病などの疾患を患っているとなりやすく、動脈硬化になってしまうと脳梗塞になるリスクが上がります。また、飲酒や喫煙などをしていると同様に動脈硬化のリスクは高まります。

動脈硬化は上記①~③と飲酒・喫煙などの影響で血管内に傷がつき、その傷に糖やコレステロールのカスが溜まり、どんどん蓄積していきます。本来血管は柔軟性があり、収縮しますが、カスの蓄積などが原因で血管内の壁は厚くなります。厚くなることで血管の柔軟性はなくなり、収縮しなくなります。この状態を動脈硬化といいます。

①~③を簡単に解説します。

①高脂血症(脂質異常症)

血液中のコレステロール値などで高脂血症かどうかが分かります。
・悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値が高い
・善玉コレステロール(HDLコレステロール)値が低い
・中性脂肪(トリグリセライド)値が高い

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)の数値が高いと血液がドロドロになることは、想像できるかと思いますが、なぜ善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低いと高脂血症(脂質異常症)と判断されるのでしょうか。

それは、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の役割にあります。
善玉コレステロール(HDLコレステロール)は、血液中のコレステロールを吸収する役目がありますが、善玉コレステロール(HDLコレステロール)値が低くなること、血中コレステロールは吸収されにくくなり、結果として血液がドロドロになります。

②高血圧

高血圧とは、心臓の押し出すポンプの力が強くなり、
送り出される血液の量が多くなると血管にかかる負担は大きくなります。

血液の量が多くなる一番の原因は塩分の摂取量になります。
人間の身体は塩分も必要で、塩分濃度を一定に保つ働きがあります。

塩分を過剰摂取するとのどが渇き水分をたくさん飲みたくなるという現象は、皆さん一度は経験があるかと思います。
体内の塩分濃度が一定よりも高くなり、身体が塩分濃度を下げようと働くため、水分が欲しくなるのです。

血液の成分は赤血球など様々なものが含まれていますが、血液の中には水分も含まれているため、大量の水分を摂取すると血液量が多くなり、結果として血管に負担がかかります。

また血液が全身に送りだされる際に、血管が柔軟に拡張すれば血管にかかる負担は減りますが、加齢や生活習慣などが原因で血管が固くなり、拡張しなくなります。
ただ血液の量は、柔軟に拡張する血管の時と変わらないため、固く拡張しない血管の負担は大きくなります。

③糖尿病

普段私たちの体はご飯など食べた物が消化され、ブドウ糖となって血液中に流れます。
インスリンの働きによってブドウ糖はエネルギーへと変わります。
しかし飲食のし過ぎなどが原因で内臓に負担がかかり、インスリンの分泌が上手く行えず、血液中にブドウ糖が存在したままになることで血糖値が上がります。
また糖が血液中に存在することで血液はドロドロになります。

「脳梗塞」の種類

「脳梗塞」の種類は大きく分けて3つあります。

①ラクナ梗塞

【ラクナ】とは、ラテン語で【小さなくぼみ】という意味があります。
脳内にある細い血管(直径15㎜以下)が詰まると、ラクナ梗塞になります。

②アテローム血栓性梗塞

脳の太い血管や頸動脈などの動脈硬化が原因で詰まり、それが原因で起こります。
太い血管が詰まるため、後遺症では様々な症状が出るとされています。

③心原性脳梗塞

心臓の血栓が脳内の血管に飛び、それが原因で起こります。
高齢の男性に多く見られる脳梗塞になります。

脳梗塞の初期症状

脳梗塞になる前の初期症状は、人によって変わってきますが、代表的な症状は以下の通りです。
初期症状は、数分から長くても24時間以内に収まるため、様子を見る方がいますが、
早めの処置をすることが大切になりますので、初期症状が出た際に病院に受診することをお勧めします。

①運動障害

片側の口角が下がっている。
(笑った時にほうれい線を見ると分かりやすい。普通は笑うと頬が上がり、ほうれい線が
くっきりと出るが、片側の口角が下がっていると頬の上がりやほうれい線が見られない。)
またペンや箸が持てず字が書けない、箸を落としてしまう、両手を上げた時に片側の手が下がる症状が見られる。

②言語障害

話している時に呂律が回らない、相手の話す内容が理解できず、回答までに時間がかかる。

③感覚障害

片側の手足にしびれが見られたり、手足の感覚がなくなる。

④めまい

強いめまいが起きたり、めまいで歩くことができなくなる。

⑤視覚障害

視界の半分が見えない、片側の目が全く見えない、物が二重に見えるなどがある。

脳梗塞の予防

今まで説明した中で脳梗塞の一番の原因は「動脈硬化」になることはお分かりいただけたと思います。
「動脈硬化」の原因である糖尿病や高血圧などをまずは改善することで、脳梗塞になるリスクを減らすことができます。

また、食生活と日々の運動、またストレスを溜め込まず睡眠をとるように意識し、規則正しい生活をすることは、さまざまな病気を防ぐことにも繋がります。

また、飲酒や喫煙なども「動脈硬化」を引き起こす原因になるため、
1日で飲酒喫煙すべてを辞めることは難しいかと思いますが、少しずつ量を減らすことが大切になります。

まとめ

脳梗塞になってしまうと後遺症など残ることがほとんどで、以前と同様の生活が送れなくなってしまうケースは少なくありません。
またあの時こうしておけばと後悔しても健康な身体は戻ってきません。
今できる対策を少しずつ行うことで、脳梗塞はもちろん、病気など様々なリスク減らすことへと繋がりますので、ぜひ心がけた生活をしてみてください。