在宅介護をしている方で、冠婚葬祭やご自身の予定、また少し介護から離れてリフレッシュしたいなど、介護する側の生活があります。
今回は、介護する側・される側の両方に役立つショートステイ(短期入所生活(療養)介護)について解説していきます。

ショートステイとは

ご自宅で介護するご家族や、65歳以上の要支援要介護認定を受けている方の事情により短期間、施設に入居し介護・支援が受けられるサービスです。

ショートステイの目的

「レスパイトケア」の目的で使用されることが多くあります。
息抜きや休息の意味があり、リフレッシュしたい時や、用事、冠婚葬祭、急病など介護者が一時的に介護できない状態などです。
また「レスパイトケア」だけでなく、在宅介護(家で介護を受けている)が利用するため、
今後施設される際のために体験として短期利用を使用する方もいらっしゃいます。

ショートステイの種類

ショートステイ(短期利用)に関して、大きく分けて「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」の2種類あります。
2つの違いを簡単に説明すると、医療の提供をメインで行うかどうかの違いになります。

①短期入所生活介護

特別養護老人ホームや一部の有料老人ホーム等が、短期間の入所(入浴や排泄、食事等)の介護の日常生活上の世話や機能訓練を提供する施設になります。
特別養護老人ホーム:「特養(とくよう)」と呼ばれています。
有料老人ホームに比べ、費用は安いですが、入居条件があり、基本的には65歳以上・要介護3以上などです。
入居したい方が多いため、待機者(入居待ち)の方が多くいる施設もあります。

②短期入所療養介護

老人保健施設や療養病床のある病院や診療所が看護、医学的管理下の介護、機能訓練等の必要な医療や日常生活の世話を提供

老人保健施設:「老健(ろうけん)」と呼ばれることが多い。
介護を必要とする高齢者の自立支援を行い、自宅に復帰を目的とした施設。
入居期間も制限があり、3ヶ月~6ヶ月程度とされている。

ショートステイの利用条件

要支援1、2・要介護1~5の認定を受けている65歳以上の方になります。
また40歳~64歳までの特定疾病で要介護認定を受けている方も対象になります。

宿泊できる日数は、介護度によりますが1泊~最大29泊まで可能です。
月をまたいでも宿泊日数はリセットされませんのでご注意ください。

ご家庭のご事情で30日以上ショートステイを利用する場合は、
31日目からは全額自己負担となります。

また、要介護(支援)認定期間の半数を超えてショートを利用できない、という縛りもございます。
詳細は、ご担当のケアマネジャーにご確認ください。

ショートステイのメリットとデメリット

メリット

・介護者のリフレッシュになる
介護者は仕事をしながらなど普段の生活の中で介護を行っている方もいるため、自分の時間やお出かけなどができなくなってしまうことがあります。
また、私は大丈夫と思っていても介護疲れやいつの間にか病気になっていたなどの方がいます。
介護をご自身で行いたい方などもいるかと思いますが、休むことも大切になります。
頑張って介護をしたことで、介護者も病気になってしまい共倒れになってしまっては元も子もありません。

・入居者やスタッフと交流できる
施設の中ではリハビリ、行事、サークルなど趣味を楽しめたり、同じ世代の方と知り合えるため普段とは違った時間を過ごすことが出来ます。

・入居前に施設を体験できる
現在在宅介護をしている方でも、身体や体調の変化でお家で過ごすことが出来なくなり、
施設に入居される方もいます。
いざ入居するとなった場合、施設の特徴や雰囲気など施設によって変わるため、
どこに入居すればいいのか、またご家族もどこに入居させれば安心して生活できるかなど
分かりません。
実際に入居することで、雰囲気や入居される方がその施設で上手くやっていけるのか
事前にお試しをしておくと、入居する際に検討材料になります。

ショートステイのメリットとデメリット

・利用にストレスを感じてしまう
普段お家で過ごしているのとは違い、スタッフや入居者など多くの方がいます。
そのためいつもと違う環境に上手く馴染めなかったり、雰囲気が合わないなどがあると
ストレスを感じることがあります。

・介護保険適応の施設はなかなか予約が取れない
介護保険適応の施設は人気が高く、また自己負担の有料老人ホームでも
人気施設は予約が取れないことや、空室がなくショートステイの受付を行っていないところも
あります。

・本人が嫌がる
ご自身がお元気だと、施設に入ることに抵抗し、数日のショートステイも嫌がる場合がございます。

まとめ

ショートステイを上手活用することで、介護が必要な方は施設での生活を体験でき、
介護する方は介護から一時的に離れることでリフレッシュできたり、用事を済ますことができます。

ショートステイを上手く活用した生活を検討してみてはいかがでしょうか。