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Home >  ブログ >  機能的口腔ケア(口回りの体操)の仕方とは?

機能的口腔ケア(口回りの体操)の仕方とは?


前回は、口腔ケアの種類と器質的口腔ケアの方法をご説明しました。
今回は、機能的口腔ケアの方法に関して詳しく説明していきます。

前回の口腔ケアの内容を読みたい方はこちらからご確認ください。
高齢者でも健康な歯を守っていく方法とは?(口腔ケア)

機能的口腔ケア

口の周りや舌などの筋肉トレーニングやマッサージを行うことで、唾液の分泌を促したり
機能維持や向上にもなります。
ただし健康状態によっては注意が必要ですので、必ず医師などに確認した上で行うようにしてください。

口の周りや舌などの筋肉トレーニングはご飯を食べる前に行うことで、唾液の分泌が促され、
飲み込みやすくなります。またTVを見ている時やお風呂に入っている時などに行うのも良いかと思います。
ただ頑張りすぎてしまうと続かなくなってしまうため、毎日続けられる範囲で行うようにしましょう。

摂食嚥下5期モデルとは?

摂食嚥下(せっしょくえんげ)とは、食べ物を認識してから、飲み込むまで一連の動作を言います。
※摂食:食べること   
 嚥下:口の中にある物を飲み込んで胃に運ぶこと
①先行期
食べ物の形や堅さ、温度、匂いなどを認識

②準備期
食べ物を口に入れ、咀嚼や上あごに押しつぶし、
唾液と混ぜ合わせのみ込みやすい形状にする

③口腔期
舌などを使用し、食塊形成(のみ込みやすい塊)、その後喉へと運ぶ

④咽頭期
喉に運んだ食塊を「ゴックン」とのみ込み、食道へと運ぶ

⑤食道期
食道のぜん動運動(収縮運動)によって、胃に食塊を運ぶ
飲み込むまでの動作には、咀嚼はもちろん唾液や舌の動きも大切になります。
口や舌の筋肉、唾液の分泌は年齢とともに衰えてきます。
日々トレーニングをすることで年齢を重ねても食事を楽しむことができます。

唾液の効果は前回の記事で説明した通り、「自浄作用」もありますが、咀嚼した食べ物を飲み込みやすくするためにも必要なので、唾液の分泌が減っていると飲み込みにくくなります。
口の中が乾きやすくなった等感じた場合は、唾液腺マッサージをしてみてください。

唾液腺マッサージ

唾液腺マッサージは3つあります。
【1】耳下腺(じかせん)
酸っぱいものなど想像したときに唾液が出る場所です。
耳たぶ前の奥歯部分に指4本(親指以外)を当てて、少し前に向かってぐるぐると円を描くよう優しくマッサージします。

【2】舌下腺(ぜっかせん)
顎の中央部分の柔らかい部分を親指で優しくマッサージします。

【3】顎下腺(がっかせん)
顎のラインに沿って耳下から中央に沿って優しくマッサージします。

舌の機能トレーニング

舌は味覚を感じるだけでなく、食べ物を食べる際にも重要な働きをします。
例えば食べ物を歯と歯の間に食べ物を運んだり、飲み込みやすい形状になった食べ物を舌を使って
咽頭に移動させたりします。

【1】舌を出して上下に動かす
【2】舌を出して左右に動かす
【3】舌を出して唇に沿って1周させるように動かす

パタカラ体操

食べてから飲み込むまでの動作で使う筋肉を維持向上させるのに
「パタカラ体操」が良いとされております。
食事の時と「パタカラ体操」の関係を簡単に説明します。

「パ」の発音:口をしっかり閉じるための練習です。
口がしっかり閉じられないと、飲み物や食事を口からこぼしてしまう原因に繋がります。

「タ」の発音:食べ物を舌と上顎ですり潰すための練習です。
また、硬い食べ物などを舌で奥歯に運ぶ練習にもなります。

「カ」の発音:喉の奥を閉じる筋力向上の練習です。
誤嚥(ごえん)を予防できます。

「ラ」の発音:食べ物を喉の奥に送る練習です。
飲み込みを良くする効果があります。

「パタカラ体操」の練習方法

  • 最初は大きな声でゆっくりはっきりと発音するように練習
  • 慣れてきたら早く繰り返し発声

早口言葉

早口言葉には、呼吸のコントロールをする力を高めたり、口回りの筋肉をほぐす等の効果があります。
早口言葉をいくつか記載します。このほかにも簡単なものから難しいものまでありますので、チャレンジしてみてください。

  1. 隣の客はよく柿食う客だ
  2. 生麦生米生卵
  3. 新春シャンソンショー

開口運動

開口運動とは、口を大きく開いた状態で10秒止め、10秒休憩を5回繰り返します。
開口運動を行うことで「ゴックン」と飲み込む時に使う食道周りの筋肉
【舌骨上筋(ぜっこつきんにく)】を鍛えることができます。

ただし、顎関節症や顎関節脱臼の方、開口すると痛みが生じる方は注意が必要です。必ず医師などに確認した上で行ってください。

まとめ

口から食べれることは身体にとって大切になります。
様々な原因から固形物を食べられなくなると、刻み食やペースト食になります。
白米を例にすると、全粥やペースト粥になると白米に比べ摂取できるカロリーは低くなります。
1日の摂取カロリーを補うために補助食品など利用するのも一つですが、まずは現状を維持すること、またトレーニングをして少しでも長く口から食事ができるように工夫していくことは大切ですので、無理のない範囲で是非実践してみてください