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ヤングケアラー「子供が介護者」の現状とは


皆さんはヤングケアラーという言葉を知っていますか。
皆さんの周りにも、実は子供の友達がヤングケアラーだったなど身近にいる可能性があります。

今回はヤングケアラーの実状と、もし周りにいた場合の対応方法などを解説していきます。

ヤングケアラーとは

18歳未満の子供が、親の介護や祖父母の介護、また障害を持っている兄弟や幼い兄弟のケアをしなければならないことをヤングケアラーと言います。

ヤングケアラーの実状

親が高齢出産で、出産してすぐに病気を患ってしまい、親の介護が必要だったり、シングルマザーやシングルファザーなどで親が働きに出ているため、親の代わりに祖父母の介護や兄弟の世話をしなければならないなど、家庭環境は様々ですが、年々ヤングケアラーは増えています。

子供は家族の介護をしなければならない理由で、学校にあまり行けず、勉強についていけない、部活動ができない、友達付き合いが上手くいかないなどの理由で孤立してしまい、誰にも相談できず、生活しているヤングケアラーもいます。

ヤングケアラーの問題点

大きく分けると
①人間関係
②勉強
③第三者への相談

になります。

①人間関係

毎日家族の介護や兄弟の世話をしていると、友達との関わりが薄くなってしまい、友達間でのコミュニケーションをとることができなかったり、放課後友達と遊ぶことができないなどの問題が出てきます。
また部活動に入っている人だと、介護や世話が優先となってしまい、なかなか参加できないなどがあります。

②勉強

家族の世話や介護が必要な方の介護度にもよりますが、朝や帰宅後すぐケアをしなければならない環境だと、例えば学校で出た宿題や、テスト勉強、受験勉強をするなどの時間がなく、勉強についていけなくなってしまうなどの問題に陥ってしまいます。

また勉強する時間だけでなく、睡眠時間が思うように取れていないなどの実態があります。

そういった問題から、進路の幅が狭くなってしまい、なりたかった仕事に就けないなど将来に響いてきてしまう子供がいるのも現状です。

③第三者への相談

子供にとって介護や世話をする環境は、幼い時から行っていると当たり前になってしまっているケースが多く、ヤングケアラーである自覚を持っていなかったり、誰かに相談するまでの悩みではないと思ってしまっている子供がいます。
また遅刻や宿題提出ができないことで、先生から怒られてしまい、なかなか言い出せない環境などもあるそうです。

大人でも介護に関する悩みを誰に相談したらいいのか分からない状況がある中、子供になると更に誰に助けを求めたらいいのか、また相談したことで家族がバラバラになってしまうのではないかという不安から相談できないなどの問題を抱えています。

対処法

上記のように、ヤングケアラーである当人は、相談するまでもないと思っているケースが多くあります。

相談できる環境づくり

相談できる環境づくりをする前に先生や周囲の大人が小さな変化に気づいてあげることが必要になります。

小さな変化が出るのは、生活面と身体面です。確認できるところはいくつかあります。(こちらではいくつか例として挙げます。)

【生活面】
・最近遅刻や欠席が多くなった
・宿題をやってこない
・授業中に寝ることが増えた
・前までは自分の子供と一緒に登校していたのに最近一緒に登校しなくなった
・放課後あそんでいたグループから姿を見なくなった
などの変化が見られる場合があります。

【身体面】
・前より痩せてきている
・洋服が汚れている
・お風呂に入っていない
などがあります。

特に身体的な部分は生徒の間でいじめにも繋がる可能性が大いにあるため、注意が必要です。
また上記事例以外にもありますが、少しでも変化があった場合は、家庭の中で抱えている問題はないか聞いてあげることが大切です。

【状況の聞き取りと関係機関への連絡】
まずはヤングケアラーである当人がどんな状況で、どんな助けが欲しいのか、など聞き取りを行った上で、学校の場合は校内での共有と必要があればスクールソーシャルワーカーなどに相談、その後必要機関に繋ぐなど校内で決められた内容に沿って対応してください。
周囲の大人が気づいたまたは相談された場合は、ヤングケアラーが通っている学校に相談や、お住まいの市区町村に設置されている窓口へ相談するのが一番良いかと思います。

ヤングケアラーの気持ちを尊重した上で対応しなければ、せっかく勇気をだして周りに相談しても、心を閉ざしてしまう可能性もあるため、慎重な対応が必要です。

まとめ

家庭環境によっては、どうしても子供が家族の介護や兄弟の面倒を見なくてはならない人がいます。
もちろん家族も大切ですが、子供で居られる時間もとても大切になります。
県によっては、ヤングケアラーのサポートとして色々な施策を行っているところもあります。
ただ、子供がこの用な件のサポートや他での支援を見つけて自分で問い合わせをするのは、非常に難しいことです。
だからこそ周りの大人がフォローしてあげることが大切になります。